さて、今日は宇佐美りん『かか』を読んだ感想を話します!
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あらすじ(河出書房HPより引用)
価格:594円 |
うーちゃん、19歳。
母(かか)も自分も、もう抱えきれん。痛みと切なさを描く20歳の才器、第56回文藝賞受賞のデビュー作。
19歳の浪人生うーちゃんは、大好きな母親=かかのことで切実に悩んでいる。かかは離婚を機に徐々に心を病み、酒を飲んでは暴れることを繰り返すようになった。鍵をかけたちいさなSNSの空間だけが、うーちゃんの心をなぐさめる。
『かか』宇佐見りん|河出書房新社より引用
脆い母、身勝手な父、女性に生まれたこと、血縁で繋がる家族という単位……自分を縛るすべてが恨めしく、縛られる自分が何より歯がゆいうーちゃん。彼女はある無謀な祈りを抱え、熊野へと旅立つ――。
未開の感性が生み出す、勢いと魅力溢れる語り。
痛切な愛と自立を描き切った、20歳のデビュー小説。
宇佐美りん『かか』の感想
祖母、母の「かか」、亡き叔母の娘・明子、弟、犬のホロと暮らす19歳の浪人中のうーちゃん。
まずかかがやばいのはともかく、祖母もおかしい。
それに加え離れて暮らす父もおかしい。
うーちゃんはかかの子宮摘出手術のタイミングで熊野へと旅にでるのだが、熊野といわず、さっさと家をでたほうがよいと思う。
だって、このようなどんよりとした家にいても袋小路しか見えないじゃん。
親が子どもを庇護するのではなく、子どもが親に相当な気遣いをもって接している家庭。
そんな家庭の描写が、母を気遣う子どもの切実さがリアルに伝わってくる作品でした。
それから旅の顛末があっさりしていたなと思いました。
あのラストはうーちゃんがかかと切っても切れない関係であることを表しているのか、それともどんなにうーちゃんがかかを庇護しようとも現実にはできないということを暗示しているのか。
そんなことを思いながら読み終えました。
あとそれとSNSのくだりがよくわからなかったけど、推しがいるから生きていけるとかSNSで推しの話を共有できるから癒されてるとかそういうこと…?
作者の宇佐美りんについて
作者の宇佐美りんは1999年生まれで、この本の初版が2019年10月です。
なので大学在学中に作家デビューしたことに。
もしかしたら、まだ大学生……? ちょうわかい。
つい先月も新作『くるまの娘』を上梓されました。
これから先どんな作品を生み出していくかちょっと気になるかもです。
また気が向いたら(なんとなく数年後とかになる気かもだけど)宇佐美りんの別作品を読むかもです(--)ノ
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